お元気ですかまたしても、……(6)

(6)私は『シモーヌ』をアマゾンで取り寄せて読んでみました。一言で言うと?

笙野頼子

 反論が出たのを知ったのさえツイッターを見て、というくらいでして。

 それは何というか、完全に想定内の御作でした。相も変わらぬ原発推進派にそっくりの言語ですね。要するに、--平気、平気、大丈夫、そんなのしないからね、極端な事言わないでね、と、こっちの知識集成や未来予測、事件分析をひたすらヘイト呼ばわりする、ただそれだけです。例えば、メール一本性別変換だなんてあり得ないだの、だけどそれノルウェー視察した福島瑞穂議員の発言なのですよ?フランスの勲章を貰う程の女性議員ですよ?

 昔はテレビでAV含む、性の商品化の反対をしていた弁護士さんでした。歳月は彼女をここまで出世させ、セックスワーク派政党の党首にしたんですねえ。さらに?

 李氏は日本学術会議提言書52ページの一覧表のチェックをしましたか?どなたか、この方にちゃんとした資料を届けてあげて下さい。これではお気の毒です。

 その他には話合いで穏当な線引きをするべきだとおっしゃるけど、その線引き合議に必要な情報を提供しようとすると、ヘイトスピーチにされてしまう。まあでもそれ以前に冒頭から、呆れましたよ。文学者は公的存在と私などは思うけど。

 この人、主観だけを生きていて何も説明をしないですね。私的言語であっても他者があればいい。でも、私的というよりは主観的過ぎる文だったので恐れ入りました。

 全てマイルール適用でネット炎上などの言い訳が延々と、天動説的心情告白で書いてありました。それは例えばある政治家が難病であるのをいい事に李氏が差別的な侮辱をしたという批判への釈明や私に多大な迷惑を及ぼしたツイートの言い訳などであって、要するに主観の流れあるのみです。

 しかもそんな炎上の言い訳が終わってから今さら、私への応答をかねていると称する、ご本人とお仲間の受難エピソードをくりだすわけですね。無論その感触は独特、だってきちんと説明出来ていないのだもの。

 例えば、自分は被害にあった、仲間が被害にあった、それはひどい被害だ、と言うわりには肝心なところ程、具体的被害を書いていない。書けば相手が悪くないとばれるからでしょうね、或いはデマではないという事を検索や図書館で見られてしまう。それ故に?

 具体例を書くのはヘイトスピーチという事にしておきたいわけですね?

 要するに、この方どこを見ても水上文氏とそっくりなんですよ。中にご自分が「温室育ちのお嬢様」と思われる事への異議もありました。しかし、温室育ちではなくとも無菌室の純粋培養、密室育ちではある。水上文氏にもそれは言いたいです。

 さて、純粋培養とは?

 習った事しか信じない、習う前にまず、自分の経験や疑念を全て放棄している、共感能力や、現実感覚も潰してかかる、自分の中にある判断力は自由意志で(?)纏足してしまう、等、等、です。

 そういう人間は何を信じるか?ここでハイデガーです。その哲学本体ではなく、ナチス化の一歩となる誤用において。


(7)へ続く