科学的社会主義とトランスジェンダリズム

てんぷら

日本共産党は現行法の「性同一性障害特例法」を改正し、手術要件を撤廃する方針を取っています。
私は今年入党したばかりの共産党員であり、不可逆的に生殖能力を失わせるSRS(性別適合手術)は残酷だと考えていたので、特例法改正にも賛成していました。


しかし、ツイッターで女性たちの意見を見るうちに、手術要件を撤廃してはいけないという思いが強くなりました。
女性たちの多くは私と同じように手術要件の撤廃や、トランスジェンダリズム(性自認によって性別が変更できるという考え)に初めは親和的でした。
しかし、ある「トランス女性」がたびたび性加害願望を告白し、同じ人物が女性専用スペースを利用したいと発言しているという事実がありました。女性たちがこのような発言を諌めると、「性被害など大したことない」と女性の肉体性を軽視する答えを返されました。


このような経緯から手術要件を撤廃して男性の身体を持った人を女性専用スペースに入れることに賛成出来なくなりました。
また、日本共産党が理論的な基礎とする「科学的社会主義」の思想ともトランスジェンダリズムは相容れないと思いました。


まず、科学的社会主義の哲学的基礎である弁証法的唯物論とは「観念は物質的な現実と一致する場合にだけ真実」という考えです。
「身体違和が無いにもかかわらず性自認のみで性別を変更できる」という思想は、男女の肉体の性差という真実を無視した観念論に過ぎません。


次に、エンゲルス は『家族、私有財産、国家の起源』において
生産様式の変化によって性分業が発生し、男性による女性の支配があらゆる階級対立の根底にあると述べました。
性分業に付随して社会的・文化的性差であるジェンダーが構築されました。
しかし、トランスジェンダリズムでは、ジェンダーは解体されずトランス(越える)はするが、ジェンダー自体は温存されます。


日本共産党が「労働者階級による資本主義搾取からの解放」を目指す政党ならば家庭内で女性をプロレタリアートの立場に置かせる性分業、ジェンダーの廃絶を目指すべきです。
以上の理由により科学的社会主義とトランスジェンダリズムは両立しないと考えました。
同時に、日本共産党にはジェンダー政策を考え直してほしいと思います。