ジェンダー・イデオロギー過激主義から女性を守り、生物学的真理を連邦政府に回復させる大統領令

ジェンダー・イデオロギー過激主義から女性を守り、生物学的真理を連邦政府に回復させる大統領令

2025年1月20日

合衆国憲法および、合衆国法典第5編第7301条を含む諸法により大統領として私に与えられた権限に基づき、ここに命令する。

第1  目的  米国全土で、性別の生物学的現実を否定するイデオローグが、男性が女性を自認し女性のDVシェルターから職場の女性専用シャワー室に至るまで女性専用の親密な空間や女性向けの活動にアクセスすることを許す手段として、法的手段やその他の社会的強制手段をますます利用するようになってきている。これは間違っている。性別の生物学的現実を根絶しようとする試みは、女性の尊厳、安全、安寧を奪うことで、女性を根本的に攻撃するものである。言語や政策から生物学的性別(sex)を抹消することは、女性だけでなく、アメリカの制度全体の正当性にも破壊的影響を及ぼす。連邦政府の政策を真理に基づかせることは、科学的探究、公共の安全、人々の士気、そして政府そのものへの信頼にとって決定的に重要である。

 この不健全な道は、生物学的および科学的用語の日常的かつ長年の使用と理解に対する現在進行中の意図的な攻撃によって舗装されている。すなわち、不変の生物学的現実である性別を、生物学的事実から切り離された内面的で流動的かつ主観的な自己感覚に置き換えるという攻撃である。「女性(woman)」という真実かつ生物学的なカテゴリーを無効にすることは、生物学的性別に基づいた(sex-based)機会を保護するために策定された種々の法律や政策を、それを損なう法律や政策へと不当に変質させ、長年大切にされてきた法的諸権利や価値観をアイデンティティに基づく混乱した社会的概念へと置き換えることになる。

 したがって、私の政権は、女性(women)とは生物学的女性(biologically female)のことであり、男性(men)とは生物学的男性(biologically male)のことであることを認める明確かつ正確な言語や政策を用いることで、女性の権利を守り、良心の自由を保護する。

2条 政策および定義 maleとfemaleという2つの性別を認めることは、米国の政策である。これらの性別は変化するものではなく、根本的かつ議論の余地のない現実に基づいている。私の指揮の下、行政機関は、この現実を推進するために、性別保護的なあらゆる法律を施行する。また、以下の定義は、連邦法および政権の政策に関するいっさいの行政上の解釈および適用にあてはまるものとする。

(a) 「性別(sex)」とは、maleまたはfemaleという、個人の不変の生物学的分類を指す。「性別」は「ジェンダー・アイデンティティ」と同義ではなく、またその概念を含まない。

(b) 「women」または「woman」と「girls」または「girl」とは、それぞれ成人および未成年の人間のfemale〔生物学的女性〕を意味する。

(c) 「men」または「man」と「boys」または「boy」は、それぞれ成人および未成年の人間のmale〔生物学的男性〕を意味する。

(d) 「female」とは、受胎時点で、大きい生殖細胞を生成する性別に属する者を意味する。

(e) 「male」とは、受胎時点で、小さい生殖細胞を生成する性別に属する者を意味する。

(f) 「ジェンダー・イデオロギー」は、性別(sex)という生物学的カテゴリーを、自己評価によるジェンダー・アイデンティティという絶えず変化する概念に置き換えるものであり、男性が女性を自認し女性になることができる、またその逆も可能であるという誤った主張を認め、社会のあらゆる制度にこの誤った主張を真実として扱うことを要求する。ジェンダー・イデオロギーには、その人の性別とは無関係にジェンダーには広大なスペクトラムが存在するという考え方も含まれる。ジェンダー・イデオロギーは、生物学的性別(sex)を、特定可能ないし有用なカテゴリーとして扱うことを否定する一方で、ある人物が誤った性別の身体に生まれることは可能であると主張している点で、内的に矛盾している。

(g) 「ジェンダー・アイデンティティ」は、生物学的な現実や性別から切り離され、無限の連続性のうちに存在する、完全に内面的かつ主観的な自己感覚を反映するものであり、それは自認の有意義な根拠を提供しておらず、性別の代替物として認めることはできない。

第3 女性は生物学的に男性とは異なることを認識すること

(a) 本命令の日付から30日以内に、保健福祉省長官は、本命令で定められた性別に基づく定義に立脚した明確な指針を、米国政府、外部パートナー、および一般市民に提供すること。

(b) 各政府機関およびすべての連邦職員は、生物学的に異なる性別としての男性と女性を保護するために、性別に基づく諸権利(sex-based rights)、保護、機会、便宜を規定する諸法律を施行すること。したがって、各機関は、法令、規則、または指針の解釈または適用、およびその他のすべての公式の機関業務、文書、通信において、「性別(sex)」、「male」、「female」、「men」、「women」、「boys」、「girls」という用語を本命令第2条に規定された意味で使用すること。

(c) 性別に基づく区別を管理または執行する際には、各機関およびそれらを代表して公的な立場で職務を遂行するすべての連邦職員は、すべての該当する連邦政策および文書において、「ジェンダー」ではなく「性別(sex)」という用語を使用すること。

(d) 国務長官、国土安全保障省長官、および人事管理局長官は、政府発行の身分証明書(パスポート、ビザ、グローバルエントリーカードを含む)が、本命令第2条で定義された所持者の性別を正確に反映した変更を実施すること。また、人事管理局長官は、該当する連邦職員の記録が、本命令第2条で定義された連邦政府職員の性別を正確に伝えるものとなるようにすること。

(e) 各機関は、ジェンダー・イデオロギーを推進したり植え付けたりするような声明、方針、規則、書式、通信、またはその他の内部および外部のメッセージをすべて除去し、そのような声明、方針、規則、書式、通信、またはその他のメッセージの発行を中止しなければならない。個人の性別を必要とする各機関の書式には、男性(male)または女性(female)を記載し、ジェンダー・アイデンティティの記載を求めてはならない。各機関は、ジェンダー・イデオロギーに対する連邦政府の資金援助を中止するために必要なあらゆる措置を、法律で認められている範囲で講じなければならない。

(f) 前政権は、1964年公民権法第7編を扱った「ボストック対クレイトンカウンティ(Bostock v. Clayton County)」事件(2020年)における連邦最高裁判決〔同性愛者やトランスジェンダーを理由とした解雇は公民権法に反すると判示〕により、たとえば教育修正法第9編〔合衆国の教育機関における男女平等を定めた連邦修正法〕のもとで、ジェンダー・アイデンティティに基づいて男女別スペースを利用することが認められると主張した。この立場は法的には正当化できず、女性に害を与えている。したがって司法長官は、各機関の活動における性別に基づく区別に対する「ボストック対クレイトンカウンティ」 (2020) での連邦最高裁判決の誤った適用を是正するために、各機関に早急に指針を出すこと。さらに司法長官は、憲法および判例法で明確に認められている性別に基づく区別を保護するために、各機関に指針を出し、支援すること。

(g) ジェンダー・イデオロギーの推進のために連邦資金を使用しないこと。各機関は、助成条件および助成金受給者の優先順位を評価し、助成金がジェンダー・イデオロギーを推進することのないようにすること。

第4 親密な空間におけるプライバシー  

(a) 司法長官および国土安全保障長官は、必要に応じて連邦規則集第28編第115条41項の改正や、障害者法に関する解釈指針の改正などを通じて、男性が女子刑務所に収監されたり、女子拘置所に収容されたりしないようにすること。

(b) 住宅都市開発長官は、2016年9月21日付、連邦官報第81巻第64763号の「地域計画および開発プログラムにおける個人のジェンダー・アイデンティティに則した平等なアクセス」と題する最終規則を撤回する政策を立案し、意見公募手続きにかけること。また、女性専用のレイプシェルターを求める女性を保護する政策を一般に公表すること。

(c) 司法長官は、医療に関する政策を本命令と一致するよう矯正局に修正させるとともに、受刑者の外見を異性に合わせることを目的とした医療処置、治療、薬剤に連邦資金がいっさい使われないようにすること。

(d) 各機関は、women、girls、またはfemales(またはmen、boys、またはmale)のために指定された親密な空間が、アイデンティティによってではなく性別(sex)によって指定されるようにするために適切な措置を講じることによって、この方針を実施すること。

第5 権利の保護 司法長官は、1964年公民権法の適用を受ける職場および連邦政府出資団体において、性の二元性を表現する自由および男女別スペースの利用権を保障するための指針を発行すること。この指針に従い、司法長官、労働長官、雇用機会均等委員会の法律顧問および委員長、および公民権法に基づく執行責任を有するその他の各機関は、当該の権利および自由を執行するための調査および訴訟を優先すること。

第6 法案文 本命令の日付から30日以内に、大統領立法担当補佐官は、本命令の定義を成文化するための法案文を大統領に提出するものとする。

第7 各機関による実施と報告

(a) 本命令の日付から120日以内に、各機関の長は、行政管理予算局長官を通じて、本命令の実施に関する最新情報を大統領に提出すること。その最新情報は、以下の事項を扱うこと。

(i) 本命令を順守するために行われた規制、指針、様式、および通信を含む機関文書の変更

(ii) 本命令の政策を達成するために、請負業者を含む連邦政府資金による事業体に対して各機関が課す要件。

(b) 本命令の要件によって廃棄される過去の大統領令ないし大統領覚書は以下のものを含むが、それらに限定されない。2021年1月20日付の大統領令13988、2021年1月25日付の大統領令14004、2021年3月8日付の大統領令14020および14021、2022年6月15日付の大統領令14075。これらの大統領令はここに廃止される。そして、大統領令14020により設立されたホワイトハウス・ジェンダー政策協議会は解散される。

(c) 各機関は、本命令の要件または本命令に従って発布された司法長官の指針と矛盾するすべての指針文書を速やかに撤回すること、または文書中、かかる点で矛盾する部分を撤回すること。そのような文書には以下が含まれるが、これらに限定されない。

(i) 「トランスジェンダーの平等に関するホワイトハウスのツールキット」

(ii) 以下を含む教育省の指針文書

(A) 「2024年第9編規則:実施のための指針」(2024年7月)

(B) 「米国教育省ツールキット:LGBTQI+の学生のための包括的かつ差別のない学校環境の構築」

(C) 「米国教育省:学校におけるLGBTQI+の若者と家族の支援」(2023年6月21日)

(D) 「Departamento de Educación de EE.UU.  Apoyar a los jóvenes y familias LGBTQI+ en la escuela」(2023年6月21日)

(E) 「インターセックスの学生の支援:学生、家族、教育者のためのリソース」(2021年10月)

(F) 「学校におけるトランスジェンダーの若者の支援」(2021年6月)

(G) 「タイトルIXの49周年を記念して教育関係者への手紙」(2021年6月23日)

(H) 「学校におけるLGBTQI+嫌がらせへの対処:生徒と家族のためのリソース」(2021年6月)

(I) 「ボストック対クレイトン郡事件を踏まえた性的指向およびジェンダー・アイデンティティに基づく差別に関する1972年教育改正法第9条の施行」(2021年6月22日)

(J) 「パンデミックにおける教育:アメリカの学生に対する新型コロナの多様な影響」(2021年6月9日)

(K) 「トランスジェンダーの生徒に対する司法省、教育省、HHSからの新学期メッセージ」(2021年8月17日)

(iii) 「1972年教育修正法第9編への『ボストック対クレイトンカウンティ』判決の適用」と題する2021年3月26日付司法長官覚書

(iv) 雇用機会均等委員会の「職場におけるハラスメントに関する施行指針」(2024年4月29日)。

 一般規定

(a) 本命令のいかなる規定も、以下を損なう、または影響を与えるものと解釈されてはならない。

(i) 法律により行政部門または各機関に付与された権限、または

(ii) 予算、行政、立法に関する提案に関する行政管理予算局局長の職務。

(b) 本命令は、適用法に準拠し、かつ、歳出予算の成立を条件として実施されるものとする。

(c) 本命令は、いかなる者に対しても、合衆国、その省庁、各機関、その役員、職員、または代理人、あるいはその他の者に対して、法律上または衡平法上、強制可能な実質的または手続上の権利または利益を創出することを意図するものではなく、また、実際創出するものではない。

(d) 本命令における何らかの条項、またはその条項の、何らかの者または状況に対する適用が無効であるとされた場合でも、そのことによって、本命令の残りの部分およびその条項の、他の何らかの者または状況に対する適用は影響を受けないものとする。

ホワイトハウス
2025年1月20日

原文 https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/01/defending-women-from-gender-ideology-extremism-and-restoring-biological-truth-to-the-federal-government/