ご報告、次号予告、近況

笙野頼子

 
 お待たせいたしました。連載再開です。
 かなり間が空いてしまい失礼いたしました。
 とはいうものの実はこれ次回連載の予告にすぎないのです。まだ後少しだけお待ちくださいませ。しかし、……。
 前回の内容ですとこの連載について相手方の反論か出るまで待たねばならず、(結局出ていません)この期日となりました。失礼いたしました。
 その間にご報告する事が他にも出て来ましたので、それをもここへ。
 まず、……。
 一 新刊十五日に校了致しました。という以外は一切詳細のないご報告です。
 ここまで来るのに多くの方々から様々な御協力をいただきました。奇跡の出版引き受けからファンサイトアカウントの新刊予約募集、さらに何重もの校閲と事実確認のご協力、カバーデザイン、カバーデザインアンケートとそのご回答、等、等すべて感謝あるのみです。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます(またはここまでのご尽力をありがとうございました)、以上です。
 二 文藝春号に対する私の応答「報道なき処刑」について。すでに、……。
 先月メールで坂上陽子編集長から掲載拒否と、理由付き御回答を頂いております。
 次回、連載の第三回において、許可を得た上でそのメール(一部、証拠写真の形で)とともに、没になった反論を内容等変更せず、そのまま掲載する事を予告いたします。ただし、このFLJにも校閲は存在していますので「趣旨はそのままでここをもっと分かりやすく」、或いは「ここに句読点を」等の形式を整えるための指示には従い、その範囲内での文章手入れは行った上で発表します。
   
 さて、「読んでいないのだけれど」、「笙野さんまたトランス差別」という「至高の名言」をお残しになった新世紀ニュー評論家の先生について。
 この件に関し、どういうわけか一切反応がありません。
 一方、FLJコメント欄はどなたでも自由に書き込めます。ただし差別的な内容のものは掲載許可致しません。一番手っとり早い反論スペースですが?
 或いはこの「江藤淳後継者」の先生、ここにご本人の記事に対する批判が出でいる事をいっさいご存じないか、まさか文藝次号または他誌での私からの反論が出るまでお待ちになっておられるのか、……。
 ただ、四月七日発売の夏号時評を拝見すると私に対する言及もないように思えます。
 ところが私の反論文は文藝に掲載するしかない性質のもので、しかも私は群像をも追われた身の上、これを他誌に載せる事は一層無理、というか群像など、前のメールに返信がありませんでした。
 そもそも今の私の立場では紙の発表自体難しくなっています。なので文藝にもし載っていたらこんな文でした、という説明を付け加えてFLJに掲載して頂くという企画になりました。

 ただ、今白内障も急に進んできて、新刊の手入れに消耗してしまった後なのでなかなか筆が元には戻りません。なんというか、呆然、虚脱しています。でも出来るだけ早くここでまず反論文を掲載いたします。
 それが連載の第三回という事にもなる予定です。
 三 ついで、というのもなんですが、甲南大学の「人権啓発目的」で作られた動画について、コメントを出したところ、思いがけず大阪府文化部人権局からお返事のメールをいただきました。しかしその後念のためにネットでの発表許可をお願いしていたため、これも長引いてしまいまして、……。
 ところが最近、「性別不合当事者の会」という方々が同じ人権局からの同趣旨の回答を発表しておられる事に気付きました。ですので向こうからのお返事はまだですが、証拠写真の形で私のコメントと共に、ここに掲載いたします。
 一律の回答内容かもしれませんが、私の意見も参考にしてくださると一応書いてあります。どうかこれを読んで連載の方は後少しだけお待ちくださいませ。

 なお、番外ですが十四年もの間続けてくださった「笙野頼子資料室」がこの三月末更新停止になりました。私が自分の年表を書くときも参考にし、文芸文庫にも掲載されている資料室のある、ファンサイトです。投稿して既に自分では失ってしまった私の文章を私はそこを開けて読んでいます。
 この資料室、一部で閉鎖と伝えられているようですが内容はすべて残っております。どうか今後もご愛読くださいますよう。無償でここまで運営し、私のような作家とお付き合いくださった管理人さんに、長い歳月のお礼を申し上げます。
 それでは、……。